「リバウンド」は必然


今回は、ダイエットやボディメイクにおいて、本当に多くの方が勘違いしてしまっている”基本の基本”について、「リバウンドしないダイエットの考え方」というテーマで、解説させていただきます。

この記事を見ると…

スマートな体型を長期間”維持している方”と、”今の自分”との「根本的な違い」について、いったい何が違うのか理解することができます。

加えて、ご自身が理想の体型を、長期にわたって維持するために必要な、明日からできる「具体的なアクション」をインプットすることもできます。

ぜひ最後まで読んでみてください!

ダイエットは「頑張るもの」という誤解

トレーナーとしてお客様と接する中で(特にボディメイクを始められたばかりの方に)多くいらっしゃるのが、ダイエットは「頑張るもの」と思い込んでいる方たちです。

あなたも、次のような心当たりがありませんか?

  • 極端な食事制限で、毎日ヘルシー食生活
  • 効果のありそうなことを手当たり次第に試す
  • 無理に時間を作り、必要以上に毎日運動する


少しでも早く結果を出し、この苦しい期間をいち早く抜け出したいと、良かれと思って次から次に、自己流のダイエットを実践してしまう方が、本当に後を絶ちません。。

この要因は全て、ダイエットのことを「あくまでも一時的に頑張るもの」と思い込んでしまっている「勘違い」が原因だと分析しています。

どんなに頑張って、極端なダイエットで短期間に体脂肪を落とし、理想の体型を手に入れたとしても、生活を元に戻した途端に、ダイエット前の体重に戻ってしまいます(場合によっては、前以上の体重にもなってしまいます)。これを世間一般には「リバウンド」と呼びますが、考えてみれば当たり前のことですよね。

なぜなら、自分が太ってしまっている「根本の原因」を改善できてないからです。

あなたは「筋トレをして、基礎代謝を上げることで、痩せやすい体になり、リバウンドしづらくなる」といった情報を耳にしたことがありますでしょうか?これは、今のあなたが、太ってしまっている原因を「基礎代謝が低いため」と誤解させてしまう、非常にタチの悪い説明文になります。

基本的に、体重が重い方は、同じ体格の”標準体重”の方と比較して、基礎代謝は「高め」の傾向にあります。つまり「基礎代謝が低いから太っている」わけではなく、「太っていると基礎代謝が高い」が正しい理解になります。

太ってしまう「根本の原因」とは?

結論からいうと、あなたが今「普通」だと認識している”生活習慣”のレベルが、適正値を大幅に超過している状態にあることが、太ってしまう根本原因になります。

体内に体脂肪が蓄積されていくメカニズムは、非常にシンプルに理解することができます。

ダイエットを経験されたことがある方は、大抵の方がご存じと思いますが、1日のカロリー収支が「摂取(+)>消費(-)」のバランスに偏った生活をしていると、超過分が体脂肪として皮下組織にストックされていきます。

ちなみに1度にストックできる量(吸収速度)には、上限があるため、短期間に過剰に摂取された脂肪分は、皮下のみならず、内臓や筋肉の隙間に内臓脂肪としてストックされていきます。

余談ですが…、高級食材の代表的なものに「霜降り肉」や「フォアグラ」といったものがありますよね。

「霜降り肉」は、筋肉の隙間にびっしり脂肪が詰まったお肉ですが、どういった牛の肉か想像できますでしょうか?
筋肉のすき間に脂肪がつくくらい”運動不足”で”過食”な牛のお肉です。言い換えると物凄い不健康な牛の肉ということになります。

「フォアグラ」は、それ自体、アヒルやガチョウの(脂肪が詰まった)肝臓ですが、肝臓に脂肪がたっぷり詰まる状態とは、人間でいうと”脂肪肝”という病気です。そんな状態の(病気の)肝臓を、あなたは積極的に食べたいと思いますか?


太ってしまう根本原因は、カロリー収支がプラスに偏った状態を「普通」と認識し、無意識に継続してしまっていることにあります。

人間は、同じことを長く継続していると「感情」がなくなっていき「習慣」になります。
楽しいことは、次第に楽しく感じなくなり、ツラいことは、次第にツラく感じなくなっていくように。

食生活においても、同じことが起こります。
以前は、美味しく”幸福感”を感じていたメニューでも、収入UPし、食べる頻度が上がっていくと、次第に、前感じていたような”幸福感”や”満足感”は減退していき「普通」の状態に近づいていきます。

すると、もっと美味しいメニュー(高糖質、高脂質)を求めるようになり、これをくり返すことで、徐々に適正値を超えたカロリー収支にバランスするようになってしまうわけです。

この食生活における「普通」を適正にコントロールせずして、理想的な体型を「長期間」維持することは、はっきりいって難しいです。

あなたも、ダイエットで成果を出したいがあまりに、ヘルシーメニュー(サラダだけとか)のオンパレードな食事内容になっていないでしょうか。ストイックに頑張る姿勢には敬意を払いますが、それを「一生継続することができるのか」一度、自問してみてください。

おそらく、その答えはNOだと思います。

スリム体型を維持するには?

答えはズバリ、「普通」に感じる生活習慣のレベルを、体格に合わせて適正にコントロールするだけです。

あなたの周りにも、スマートな体型を常に維持している方が、何人かいらっしゃると思います。

そういう方達は「先天的に」太りにくい体質を持って生まれた恵まれた人などでは決してありません。
単に、自身の体格に見合った適切な「食事」と「運動」を、生活の中に組み込み、自然に(無意識に)継続できているだけに過ぎないのです。

こういう方たちの生活習慣は、今のあなたから見れば、「よくそんな食事内容で満足できますね」とか「よくそんなストイックに運動を継続できますね」と、おそらく思うことでしょう。

しかし、この方達は、辛く苦しいことをしているという意識は微塵もなく、あくまで「普通」に生活しています。

この差は、決して「意識の違い」とかいう簡単な言葉で片付けてはいけなくて、自身のスタンダード(普通)をどのレベルに調整してるかによるものなので、生活する環境をコントロールすることで「後天的に」いかようにもでることなのです。

太ってたけどダイエットをしてリバウンドせずにスマートな体型を維持している方も一定数おられます。こういう人たちは、生活の「普通」レベルを上手に、自身の体格に合わせて、適正にコントロールしているだけなんです。

「普通」をコントロールする方法

リバウンドせずに理想体型を「長く維持する」ための具体的なアクションとは。


1.自身の”体格”にあった「適正値」を知る
まずは、自分の理想とする体格(年齢、体重、身長)から算出される1日の「基礎代謝」と、そこに1日の平均的な活動量を考慮した「活動代謝」を計算します。この活動代謝が、ズバリ、あなた理想的な体型になった際の1日の消費エネルギーの目安になります。

次に、上記「活動代謝」に対して、現在、1日に平均どれくらいの食事を摂取しているかを整理してみましょう。おそらく、1日のカロリー収支が、大幅にプラス側に偏っていると思います。この値を、最終的には上記「活動代謝」と同等に推移させていく必要があります。

しかし、いきなり理想状態に持っていくと、現状とのギャップが大きく、ストレスになれる前に「気力」が尽きてしまいます。そこで。


2.「排除する」のではなく「共存する」方法を考える
高カロリーな食事を改善するために、手当たり次第に内容をヘルシーなものに置き換えてしまうのは、リバウンドするダイエッターの典型例です。

ヘルシーな食材だけで、極端なカロリーコントロールをするのではなく、王道メニュー(カレーライス、唐揚げ、ハンバーグなど)も織り交ぜながら、今より適正値に近づけれる食事メニューを、3〜4パターン作ります。パターン化することで、考える(カロリー計算する)手間を省き、継続ストレスを軽減できます。

また、「お酒」もダイエット中は、極力避けた方がより早く結果を出すことはできます。
しかし、いきなりの「断酒」は、お酒好きには苦痛でしかないですよね。ですから、完全に絶つのではなく、徐々に「頻度」と「量」を適正な状態に近づけていくことが重要です。継続に「耐えうる」ストレス環境に、段階的に慣らしていく必要があるわけです。


3.「面倒臭い」を可能な限りなくしていく
毎日「面倒くさい」を継続することほど、大変なことはありません。そのため、継続を一番に考えた時、極力「面倒臭い」と思うキッカケを無くしておく必要があります。

例えば、ご飯や、汁物系の食品は、正確にカロリー管理するためには「計量」が必須になってきます。しかし、食事のたびに、わざわざ計量するのも「面倒くさい」ですよね。そこで、あらかじめ、ご飯は150gごとにラップして冷凍保存しておいたり、茶碗の大きさで量を管理したり、おかず類は一食分をパック分けし冷蔵しておいたりするやり方があります。

1日のカロリーや栄養素を微調整する食材として、”ゆで卵”などを冷蔵庫に常にストックしておくと、便利なのでオススメです。

ちなみに、この辺を真剣に取り組み出すと「栄養補助食品(プロテインや、ビタミン剤など)」の存在が、神々しく思えてくるので不思議なものです。

「普通」が適正になったら?

今のあなたにとっては”質素”な印象しかない「適正な食生活」がスタンダードになると一体なにが起きるのか。

まずは、今自分が当たり前に食べているジャンク品が、思ったより美味しいと思わなくなります。
加えて、本当に美味しい食品(お寿司やスイーツなど)は、今より美味しく感じられ”満足度”が劇的に上がります。食べた瞬間に「うまーっ!!」となる感じです。

今の世は、本当に美味しいもので溢れているので、幸せと思う瞬間が増えます。
イオンのフードコートレベルの食事でも、美味しすぎて「感動」するほどです。

お酒などの嗜好品も同じですね。
人生の幸福度が劇的に上がるのを体感できます。

もしあなたが、以前ほど食事で”満足感”や幸福感”が得られず、最近「量」を増やしたり「質」を上げたり(高糖質、高脂質化)している状況なのであれば、ザ・不健康街道まっしぐらな状態にあるので、一度、冷静になって、これから進むべき「道」を選択し直すのも、一興だと思います。

不健康な状態で長生きしても、本当シンドイですからね。
(あなただけではなく、身の回りの人も含めて)


ご参考になりましたら幸いです。


MATCHBOX代表 福島 龍